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コラム

たくちゃんの日常(引き出し)

その他
著者:川辺拓史

スポーツ科学に関する論文やレポートは毎年1000以上も発表されていて、トレーニングに関する新しい理論や方法、研究結果は次々に生まれています。

私がよくみているのはアメリカのNSCA(全米ストレングス&コンディショニング協会)とPubMedというインターネットサイトで、膨大な情報量なので、タイトルだけ流し読みして気になるものがあると目を通しています。
それをインストラクターやトレーナーの友人達と共有しあうことで、自分では見落としていた情報や、他者にとっての重要なテーマなども拾うようにしています。

トップ画像は、NSCAが一覧表にまとめたBFRトレーニングガイドです(※NSCAが研究結果からまとめたもので、BFR協会ガイドより細かい内容になっています)。
この中だけでも複数の紐づく論文や研究データがあって、NSCA内で見つからないものは Google Scholarで検索しています。


論文やコラムを読んで得た知識も、実際に試して「経験」しない限り「生きた情報」にはなりません。
トレーニングには「絶対の正解」も「完全な不正解」もなく、1人の人に対しても、時と場合によって効いたり効かなかったりします。
今の自分に合っているトレーニング法が、半年後の自分や、他の人にも同じように効果的であるとは限りません。 人は慣れて「適応」する生き物であるため、効果を出すには「変化」の要素を加える必要があります。

新しい理論やトレーニング法が登場するたびに過去のものや他のやり方が否定されがちですが、効果的なアプローチは一つではないので、個々に合った方法を柔軟に当てていくことが大切です。
すぐに使えない知識であっても「引き出し」に仕舞っておいて、必要な時にその引き出しを開く鍵が、経験とかセンスだと思います。


トレーニングの世界では知識をもっておくことは非常に大切なことですが、
最終的には、その知識に頼りすぎず、自分の体やトレーニーの体の声を聴きながら選択と最適化の繰り返しになります。

NSCAのBFRガイドは、感覚的に感じていたものの裏付けになったものもあれば、BFRトレーナーズ協会が推奨するトレーニング法に縛られすぎない方法を見つけるヒントにもなり、自分の体にとって効果的な加圧法を探っているところです。
続きは次のコラムで。

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